概要
プロジェクトで指定したルールに沿ってデータが作成されているか、問題のあるデータになっていないかを随時チェックします。
人が手でデータを作成する以上、ミスをゼロにすることはできません。また、パイプラインツールも全てのケースを網羅できているわけではないのでアプリケーションの仕様の見落としや想定していなかったデータによってエラーになることも多々あります。
そのようなミスや想定外の出来事を事前に洗い出し、日々の業務を円滑に進めるためにも作成したデータを細かくチェックすることはとても大事です。そして、アーティストは自分が作成したデータを随時チェックにかけることでデータが正しいのか、間違っていたとしたらどこに問題があったのかを見返すことができます。
また、作業の早い段階で問題を見つけることで問題への対応が簡単になったり、制作ラインの後半で突然問題が起きるといったことを減らすことができます。特にアセット制作においては細かいミスがショット作業のレンダリング時に大きな問題となることがあり、プロジェクトのスケジュールやクオリティに大きく影響してきます。このような問題を事前に防ぐことの効果はとても大きいです。
このように、ツールを使って日常的にチェックをおこなうことで、プロジェクトで作成されるデータの質の向上、アーティストのレベルアップ、パイプラインツールの問題点の洗い出しといったことを常におこなうことができます。
手順
アプリケーションの JCGS メニューから Scene Checker を起動します
ダイアログが立ち上がったら、Preset からチェックしたい項目(本チュートリアルではアセットを例にしているので checkAssetScene)を選択し、 Run ボタンを押します。
チェック項目が多かったりシーンが複雑な場合チェックに多少時間がかかることがあります。チェックが完了するとチェック項目ごとにアイコンが表示されます。 問題が見つかった項目には×がついているので、その項目を選択すると message にログが表示されます。
ログを選択すると該当するシーンデータが選択されるので、問題を修正していきます。
注意事項
チェッカをパスしたからと言ってデータが完璧というわけではありません。チェッカはクリアするべき最低限のチェックをおこなうだけで、その上で問題の起きにくいデータや再利用しやすいデータを作っていくという意識を持って作業をおこなう必要があります。
また、当然ながらチェッカは作成したデータの美的な良し悪しに関しては一切関知しません。あくまでもデータの品質についてのみチェックをおこないます。
仕事をする上で作成するデータの最低限のラインを 60 点とすると、チェッカでおこなうのは 30 点に到達しているか?というレベルでしかありません。チェッカを通らないデータはその水準にすら達していないということです。